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施主様の独特な雰囲気や特徴を考えると設計者としては、かなり攻めたデザインをしたくなるものだ。がやはり住宅の本質を見失わないようにバランスに気をつけて設計するように心がけた。その結果が五寸勾配の三角屋根だった。とりわけ珍しくもないが、見たことがあるようでないようなそんな感じだった。軒の形や出、様々な部材の配色がそうさせたのかもしれない。建築協定や景観条例がかなりの障害となったが、それが逆に大事なモノを思い出させてくれるきっかけだったりもして、なんとかたどり着いた、デザインだった。理想と現実のすり合わせ。建築とはこの繰り返しかもしれない。
玄関をあけると一瞬でこの家に吸い込まれてしまう。白い壁が一切ないのだ。それでいてうるさくなくむしろなんだか落ち着かせてくれる空間になっている。デザインの打ち合わせ第一声が
「白は使いたくない」
この一言でどれだけ常識という固定概念を中で生きているか思い知らされた。二言目で私が
「やった事がないので分かりません」
と伝え、ここから施主様のセンスと私の建築士としての知識や経験をすり合わせ建物として、家として成立するようつとめた。建物とはオモシロイものでかなりハイセンスなおしゃれな人がデザインしても失敗するケースが多々ある。それは建物とは何のためかということを建物自身が教えてくれているようなそんな気がしている。まぁだからこそ私たち建築士がいるのだ
用途:個人住宅
竣工:2019年2月
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:273.45㎡
延床面積(住宅):118.82㎡
C値:0.2㎠/㎡
設計:b.h.e.p architect studio
施工:べすとほうむEP
撮影:tawawa studio
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