#07
ビンボー人は明るい家に住む!?
照明も設計の一部として考える
住宅づくりでは、「とにかく明るい家が良い」という考え方が一般的です。しかし、明るさの追求が必ずしも快適さや豊かさにつながるとは限りません。必要以上の照度は、空間の落ち着きや居心地を損ねてしまうこともあります。
特に注意したいのが、白く強い光です。昼光色や昼白色の照明は、作業には適していますが、常に浴び続けることで目や脳が休まりにくくなります。現代の住宅は、照明の性能向上により「明るすぎる空間」になっているケースも少なくありません。
上質な住まいでは、明るさの量よりも光の質や配置が重視されます。必要な場所に、必要な分だけのやわらかな光を落とすことで、空間に陰影が生まれ、心が落ち着く住環境になります。
照明は後から足すものではなく、住まい全体の設計と一体で考えるべき要素です。光を抑えることは、決して貧しさではなく、暮らしを丁寧に整えるという選択なのです。
多くのホテルが住宅よりも照明を抑えているのは、暗いからではなく、心と身体を休ませるためです。人は強い光の下では無意識に緊張状態になりやすく、明るすぎる空間はくつろぎを妨げてしまいます。ホテルでは、必要以上の明るさを避け、滞在中に自然と力が抜ける環境をつくっています。住まいもまた、安らぐための場所です。明るさを足す前に、光を引き算する発想を取り入れることで、日常の中にホテルのような落ち着きを取り入れることができます。












